コロナの影響で在宅時間が増え、家の中の掃除をするようになった人は多いかと思います。
僕自身もそのうちの一人です。
僕の部屋は割と常時散らかっており、ミニマリストとは程遠い生活をしています。しかし、ミニマリストしぶさんのYouTubeにあがっている動画を見ていくうちに、ミニマリストのメリットについて考えるようになりました。そして、いわゆる世間のミニマリストを目指すことは不可能であっても、近づけることならできるなと感じました。
ちょうど、しぶさんの新刊が出版されたということで、ミニマリストへ近づくために早速読んでみました。
本の基礎情報
- タイトル:手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択
- 著者:ミニマリストしぶ
- ジャンル:ビジネス実用
- 発売日:2022/3/10
著者の経歴について
1995年生まれ。福岡県出身。2017年に開始した『ミニマリストしぶのブログ』は開設1年で月間100万PVを超える人気ブログに成長。ミニマリストの魅力を広めるために自身を「ミニマリストしぶ」と名乗り、2018年に発売した著書『手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』はAmazonベストセラー1位を記録。
本やYouTubeでもお話されているように、親の離婚や、働きながらの浪人生活など、苦労が絶えぬようにもみえます。
この本はどういう本?
タイトル通り、モノ(ここでは著者に合わせてモノと書きます)を手放す方法について書かれています。
海外の論文から根拠を引用したり、著者自身の経験と合わせて本を書かれているので、説得力があります。
部屋が常に散らかっている方や、食材の在庫管理ができずに賞味期限を切らし廃棄してしまう方、これから少しでもミニマリストに近づきたい方にはオススメです。
ただし、後述しますが、YouTubeやTwitterにおける著者の発信内容と被っている部分が多いことには注意したいです。(それでも、大事なところがこの本1冊にまとまっていることに価値があると思っています。)
本の構成
序章 ミニマリスト入門
ここではミニマリストの定義に触れられています。そもそもミニマリストとは何でしょうか?
ミニマリストで検索してみると、こう出てきます。
持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人。自分にとって本当に必要な物だけを持つことでかえって豊かに生きられるという考え方で、大量生産・大量消費の現代社会において、新しく生まれたライフスタイルである。「最小限の」という意味のミニマル(minimal)から派生した造語。
では何故、ミニマリストは必要最低限のモノだけで暮らすのでしょうか?
何故、モノを減らすと豊かに生きられるのでしょうか?
こういった観点まで、ミニマリストの定義を深堀されています。
また、「ストレスない自由な生活ができる6万円の内訳」についても書かれています。
この生活を完全にマネするのは正直困難な気がしますが、生活のどこを削ってどこを大切にしているのか、著者の考えが分かります。
第1章 なぜミニマリスト需要が高まったのか
ミニマリストになった人、ミニマリストを目指す人が増えた理由について、著者の考察が述べられています。
やはりコロナが拍車をかけたようですが、「手にする情報量が増えすぎたこと」も一つの要因に挙げられています。
第2章 余白がないとバカになる
この章では今まで話してこなかった”警察に連行されて「強制デジタル・デトックス」”の件に触れています。
ミニマリストが重視するであろう「余白」についても、著者の見解が述べられています。
第3章 手放すコツは江戸時代から学べ
なぜ江戸時代?と思いますが、人類の幸福度がトップクラスに高かったのは江戸時代だそうです。
江戸時代と現代(令和時代)を比べて、何が学べるのかが書かれています。
第4章 モノを減らして得すること
特記事項なし。
第5章 性格でわかる「モノの減らし方&増やし方」
章の名称とあまり内容が一致していないようにも感じました。
内容としては、性格というのを外向型・内向型で分けたり、HSPについて紹介されています。
モノを捨てるとき、「業者に丸投げしてはいけない」という話は参考になりました。
第6章 人生に余白を戻す「減らし方」
具体的なモノの減らし方が書かれています。
この章を参考に、僕も断捨離をしています。(2022年3月13日現在)
第7章 ムダに持ちすぎないための「増やし方」
ミニマリストなのに「増やし方」?と思うのですが、ミニマリストは「モノを減らすことが目的ではない」ですし、「モノを増やさないことが目的でもない」わけです。
ミニマリストという言葉を表面的に捉えないことの大切さのようなものが書かれています。
終章 余白から見えてくる本当の自分と出会う
生活のゆとり(余白)と無駄について、著者の見解を総まとめしています。
レビュー(感想)
余白の大切さについて
この本を読んだおかげで、余白の大切さを学ぶことができました。
僕の家はモノが比較的多いため、早速本書の通り断捨離を開始しています。
「モノを売るにしろ捨てるにしろ、何故手放すことになったのか、その理由を考えることが大切である」という趣旨が本書で述べられています。
手放す練習を通じ、自分の取捨選択をする能力、そしてモノを大切にする心を深めていきたいと感じました。
HSPについて
HSPの診断テストをやったところ、僕はややHSPの傾向がありそうです。
やはり、モノに溢れた生活は自分に不適切であるため、モノを減らすことの重要性に気づきました。
災害対策について
東日本大震災から11年が経過しました。
あれだけの被害を被り、関東都心部に住んでいても非常に辛い思いをしたはずなのに、防災対策(個人的には災害対策と呼んでいます)をしている人は僅か半数程度だそうです。
防災対策をしているか聞くと、51.6%が「対策をしている」、48.4%が「していない」と答えた。性年代別でみると、「対策をしている」と答えたのは60代以上の女性(66.0%)が最も高く、60代男性(42.0%)が最も低かった。
偉そうに書きましたが、僕も防災対策をきちんと行ったのは、2021年の3月、東日本大震災からちょうど10年を迎えたときです。運良く大きな災害はありませんでしたが、少しでも被害を軽減するために、もっと早くから準備をしておけば良かったなと思います。
とはいえ、今後大きな災害が起きたときに、きっと「あのとき準備をしておいて良かった」と過去の自分に感謝する日が来ると確信しています。
この本をきっかけに1%でも多くの人が、防災対策を進められたらなと思います。
内容の重複について
本の中で、内容がちょいちょい重複します。冒頭の方で話していた内容と後半の方で話していた内容が重複するなど…
ポジティブに捉えるのであれば、それだけ著者が声を大にして言いたいことなのかなと思いました。
また、著者のYouTubeやTwitterにおける発信内容と重なる部分が非常に多いです。
しかし、それらを全て見返すのには時間も労力も必要です。
この本一冊に著者の考えなどがまとまっていると考えれば、僕は買って読む価値があるなと思います。実物の本は、立ち読みで多少は内容を把握することができますので、自分に合わなければ買う必要はないでしょう。
一度読んでから、メルカリで売るのも一つの手だと思います。(これも手放す練習の一つでしょう。)